こんにちは。 「個別指導塾ノーバス」稲毛校塾講師の木島です。 先週、千葉県公立高校入試(本試験)が終了しました。緊張の糸が切れて体調を崩しておりましたが(恒例イベント)、落ち着いてきたので英語の感想を綴ります。4月から新受験生になる人にとってもためになることがさりげなく散りばめられているので、是非じっくり読んでみて下さい。 ※問題文をお手元にご用意のほどお願い申し上げます。下記の千葉日報オンラインからダウンロード可能です。 https://www.chibanippo.co.jp/news/local/1397386 【英語】-はじめに- ここ数年で読まなければならない単語数が増加した千葉県入試、今年はリスニングで約400語、リーディングで約1500語とやはり多めでした。さらに、”encourage”や”fall in love”を始め、教科書では馴染みがなく、語注にも記載されない言葉が多く、高い語彙力が求められた印象です。 〈大問1〉リスニング No.1は対話文の最終文が疑問文ではないパターンでした(“Please help me.”)。このパターンは正答率が下がりがちですが、放送文の文字数は少なく、内容も平易でした。しかしながら、選択肢が全てポジティブな返答であり、特に選択肢Aの”Yes, please.”は、”please”が放送部の最終文と被っていることから、つい選んでしまった人がいるかもしれません。この辺、易しい問題とはいえ「そう簡単には取らせんよ」という意図が感じられました。 No.2、No.3はともに平易でありましたが、No.3の最終文”Is it for your class?”の意味に一瞬惑わされた人はいるでしょう。”class”はどうしても「教室」のイメージが先行しがち。授業を連想させる言葉が周りに無く、限られた時間の中で「授業」の意味であると判断するのは簡単そうで意外と難しかったと思います。 〈大問2〉リスニング No.1はとてもクラシックな問題。問題形式が変わることが多い昨今、昔ながらの問題を見ると落ち着きます。さて、この手の問題は事前に注意して聞くべきところを整理しておく必要があります。今回は、「木の有無」、「自転車の数」、「花の有無」が鍵となりました。また、女性の家について聞かれていることから、2回目の放送では、女性のセリフにより注目すべきことに気づけるとナイスです。 No.2では「身長」や「髪の色・長さ」が鍵となりそう準備したいところ。また、No.1に出てきた”in front of”や”on the right side of”、No.2に出てきた”next to”など、「場所」の表現を知っておくと鮮明に内容を理解できたでしょう。 〈大問3〉リスニング No.1の選択肢は全て「動詞」で始まっています。この場合の質問文は「◯◯は何をする/した/するだろうか」になる可能性大です。誰が、いつ、何をするのかに注目しましょう。 〈大問4〉リスニング 昨年にも出題された形。共通テストのリスニング大問5と似たやつ。こちらも放送が流れる前にメモや選択肢に目を通しておく必要があり、場合によっては放送を聞く前に答えを絞れます。ただ、今年の放送文は易しく、引っかけ要素もなかったので解きやすかったと思います。 〈大問5〉文法(語形変化・並び替え) (2)は”wear”を”worn”に変形する問題でした。各方面でも述べられているように、過去分詞形にすることは分かりつつも書けない人が多かったはずです。触れる機会の少ない動詞の活用形はやはり意識的に練習する必要があります。 (3)は仮定法、比較級、不定詞と文法がふんだんに使われた問題でしたが、”I wish 主語+動詞の過去形”や”time to do”などお決まりのカタマリだらけであったため、しっかり問題演習をしていれば解けたでしょう。ただ、仮定法は数年前までは中学校で習わなかった、かつ、中学校最後に習う単元であるため、練習が手薄になる可能性があり注意が必要です。 (4)は”such as”を嫌らしく思う先生が周りには多い印象ですが、個人的には”team”の置き場所を決めるのに時間を食ったのではないかと。「team sports」、「sports team」、「soccer team」どれもありそう…。 (5)は”keep”の語法が問われました。”keep”を見た段階で”keep A+B”「AをB(の状態)に保つ」を思い出せるようにしておきたいところです。 〈大問6〉英作文(セリフの穴埋め) 英作文は近年出題形式が定まっていなかったので、去年と同様の形でほっとしました。私は「英作文を無回答にしない」がモットーです。(2)の図書館スタッフが9頭身アイドル顔であった点には驚きましたが、難易度は去年と変わりません。肝心の答え方については長くなりそうなので割愛します。 〈大問7〉長文読解(広告など) (1)は、冷蔵庫と連動したアプリに関する文章で、中学生にも読みやすい文章だったように思います。数字が多く用いられる段落がありましたが、問題を見れば数字に関する問題は無いことが分かります(しっかり読む必要がない)。Bは毎年正答率の低い適語補充でしたが、かなり解きやすかった印象です。BのFredとYukaのやり取りからだけでも正解をイメージできた人はいそうです。ただ、Aの「適当でないものを選びなさい」は千葉県の入試にはほとんどなく、更にマーク形式であることも相まってやりづらさを感じたかもしれません。 (2)Aに苦戦した人は多そうです。そもそもこの広告が見づらい。「猫を連れて帰るためにすべきこと」は、2匹の猫の挿し絵横にある3つのチェックリストの中から選ばなければならないと考えてしまう人が多そうです。また、正解の根拠文である”Visit our cafe and get to know your future family member.”の”your future family member”が「猫」を指していることに気づけなかったかもしれません。ただ、3つのチェックリストから選ぶとなると、選択肢アにしてしまうかなと予想されるのですが、「お金を積めば猫を持って帰れる」というのは一般的に考えて無さそうです。この一般常識に照らす考え方はたまに使えます。あ、”be scared of”と”be afraid of”の言い換えが登場したことには少々驚きました。 〈大問8〉長文読解 本語「生きがい」という言葉がテーマである文章でした。日本人であっても、生きがいとは何かと問われれば明確に答えることは難しく、正確に文章を読むことが求められました。(2)では再び「適当でないもの」を選ぶ問題が登場。(3)の適文補充では去年よりも指定の文字数が減ったものの、何を書けば良いのかを導くためにはかなり思考を巡らす必要があり手強い問題でした。空所直後もヒントとなっているが、”I think we all want to feel useful.”が多くの人を悩ませていそうです。結果的に答えは本文から抜き出せば良かったというのが憎いっ。その抜き出す部分の語彙が難しいのがまた憎いっ(“be related to”)。 〈大問9〉長文読解(会話文) 珍しいインタビュー形式でした。個人的に面白かったのは、”interview”が動詞で使われていたこと、穴埋めをする箇所が全てインタビューをする側であるNamiの台詞だったことでしょうか。常にインタビューをする側視点で考えられることが、解きやすさに影響を与えるのか、は分かりません。 インタビュー形式ということで何の話をしているのかが分かりやすいという意見も聞こえますが、(3)や(4)では一問一答形式の流れになっており、文章の大きな流れをヒントにできない難しさもあったと思います。