こんにちは、講師の田窪です。
立秋も過ぎて暦の上では秋となりましたが、まだまだ暑いですね。
先週のお盆休みはゆっくり過ごせましたか?
夏休みも残り一週間ほどとなったので、宿題のやり残しがないように気を付けましょう。
さて、今日はタイトルでもおわかりの通り和歌について語ろうと思います。
「5・7・5・7・7」の31文字でできているから和歌のことを「みそひともじ」ともいうんですよ(^−^)
皆さんは「和歌」とはどういうものだと感じていますか?
技法や決まりごとがあって堅苦しいものだと思っている人もいるでしょう。
ところがそうでもないんです!俳句のように「季語を入れなければいけない」という決まりもありませんし、平安時代の人たちはたくさん恋愛の歌も詠んでいます。
それをラブレター代わりにも使っていました。
もちろん季節や景色、ちょっとした自分の気持ちなんかも気軽に詠んでいます。
今でいうツイッターみたいなものです。
その和歌を集めたものを「和歌集」と言います。
「勅撰和歌集」は天皇の命令で作られた和歌集です。
「万葉集」「古今和歌集」「新古今和歌集」なんかはテストにもよく出ますね。
ただ、皆さんに一番馴染みがあるものは「百人一首」ではないでしょうか。
お正月にカルタ遊びをしたり、「坊主めくり」というゲームで使った人もいるかと思います。
これは藤原定家という歌人が自分が「良い!」と思った歌を一人一首×100人分集めたものです。
時代も歌人も内容も多岐にわたっていて、天皇が詠んだ歌や、紫式部、清少納言、小野小町などの有名人が詠んだ歌も選ばれています。
個人的には、恋の歌が情熱的で好きです!少しここでご紹介したいと思います。
「瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末にあはむとぞ思ふ」 崇徳院
(訳)岩にせき止められた急流が、そこで二つに分かれても、結局はまた合流するように
今はあなたと別れ別れになっていても、将来はまたきっと会おうと思うのです。
(解説)これは崇徳天皇が詠まれた歌です。1156年に保元の乱を起こし、弟の後白河天皇に
破れ、讃岐に流されてしまいました。恋愛に関してはすごく純愛ですね。
「しのぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで」 平兼盛
(訳)あの人を思う気持ちを誰にも知られないように、じっと包み隠していたけれど、
とうとう隠しきれず顔色や様子に表れてしまった。「誰をそんなに恋しているんですか」
と人から聞かれるほどに…。
(解説)これは「恋」というテーマで開かれた歌合わせ(和歌の優劣を競う会)で詠まれた歌です。
相手の歌(こちらも百人一首に選ばれています)もすごく出来が良く、
かなり勝負の判定が難航したのですが、その場にいた天皇がこちらの歌を
口ずさんだのでこの平兼盛が勝つことが出来ました。
恋する気持ちを隠すのが難しいのは今も昔も変わらないのですね。
いかがでしたか?とりあえずは二首ですが、ほんとはまだまだ好きな歌がたくさんあります!
文法とか技法とか難しいことはまずは置いておいて、雰囲気だけでも楽しんでみてください。
少しでも和歌に興味を持ってもらえたら幸いです。和歌など、残された作品を読むことによってその人が生きていた人生やそのときの気持ちを追体験してほしいと思います。
次回もまた少し紹介したいと思います☆
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